替刃式の鋸を使うことが当たり前になってしまった現在、需要も以前に比べれば激減なのだそうですが、それでもやはり師の目立てで無いと!という職人さんは多いようで、目立てを待つ鋸がたくさん立てかけられていました。
いまだ現役なのです。

手に持つのは目立てをする鋸を挟むもの。

立派な良い手をしていらっしゃいます!・・・ピントが甘いのが残念!

この道具、もちろん自作のけやき製。

全体がしっかりと挟み込まれないと仕事にならないのだそうです。

目立てを終わった胴突きのこを挟んで見せてくれました。

それを右に見える棒に立てかけ、目立てが始まるのです。

鑢(やすり)の数々。

鋸の表面を整える道具、これも自作。
今回私がお願いしたものは「胴突きのこ」だったのですが、長さの真ん中あたりでヒビが入ってしまい、目立ては無理だと一度は断られたのですが、では、半分の長さだけ生かせませんか?と無理にお願いしたところ、やってみようと言っていただいたのでした。
根元の方だけが生き残った訳です、先の方の鋸さん、ご苦労様でした。

これが出来上がったミニ胴突きのこです。
半分の長さになりましたがとても使いよさそうです。

小さな細工物など、特殊な用途に使う鋸なので、目が非常に細かいのがお分かりでしょうか?
これを師は肉眼で見ながら目立てをするのです!驚異!

師が引退したら私はどうしたら良いのだろうか?
末永く現役でおられることをお祈りいたします。
中屋文次郎鋸店
小田原市中町一丁目15番8号
0465-22-0865
「鋸店」という店名に気付かれましたか?
実はこの方、目立て屋さんだけではないのです。
もちろん目立てもするのですが、なんと鋸を造れるのです。
鍛冶屋さんなのです。
今でも奥にふいごのある作業場があり、鋸を打っているのです。
植木の剪定用の鋸などもありましたので、欲しい方は尋ねてみてください。
特注も出来るそうですよ!